Photo by Mr Y.Itoh & K.Hosoda
Article by K.Hosoda


2000年スーパー耐久第3戦鈴鹿200マイル

 第2戦のハイランドで優勝し、さい先の良いスタートを切った今季のS耐。第3戦の鈴鹿は一度も表彰台に上っていないから、今年こそ……と思ったが、予選は最後尾となり最悪の展開。挙げ句の果てにペナルティでピットストップ……。でもなにが起こるか分からないのが耐久レース。あれよあれよという間にトップに立ち、そのまま逃げ切って2連勝。参戦レースとしては3連勝をマークし、初のシリーズランクトップに躍り出た。



5月12日

「公開練習」


 
 相変わらず鈴鹿では木曜日のスポーツ走行が設定されず、金曜日のN1リーグ占有走行でセットアップを行なう。 今回のレース、クラス4は6台だが、本日のポジションは3〜4番手といったところで、イマイチであった。


5月13日

「公式予選」

 まずは公式車検で始まる予選日。とくに狙っていた訳ではないが、ほぼ最後尾から受けて車検をパス。名倉メカも思わずニッコリの瞬間であります。

 予選前のフリー走行ではクラス3番手をマーク。そしてピットウォークの後迎えた予選ではまずは山内からアタック。けれどもタイムは伸びず2分29秒572で4番手止まり。続いて浅見がアタックにはいるがタイム更新成らず。それどころかスピンを喫してフロントタイヤにダメージを負ってしまう。これでマーキングタイヤの交換が必要になり、予選通過車の最後尾が確定してしまった。まぁ、もともとのポジションでも30番手だったからそれほど落ち込んではいなかったのだ。

 これが交換されたマーキングタイヤ。ポジションは失ったが、フレッシュタイヤなので、最後尾からガンガン攻められるのだ。だが、その後大問題が発生してしまったのだ。決勝に向けてメンテナンス中にふとしたミスによりエンジンを壊してしまったのだ。エンジン交換の申請期限も過ぎている(規則では予選終了後1時間以内)ので、途方に暮れてしまう。結局決勝朝イチで嘆願書を提出し、載せ換えを認めてもらえたが、スタート後のストップ&ゴーのペナルティが科せられてしまったのだ。これまで聞いたことのない審査委員会の判断に戸惑うが、これを承諾して決勝に臨むことになった。「今年も鈴鹿はダメか」とこの時点では誰もがそう思っていた。


5月14日

「決勝レース」

 恒例となったピットウオークでは多くの観客がピットを訪れ、マシンを食い入るように見つめていた。

 最後尾のグリッドに並ぶ。今回もスタートは山内で行くことになる。なお、背景に見えるのは鈴鹿名物の観覧車とキャンギャル(プロフィールはトピックスでどうぞ)。さらに後方にはレスキューマシンのNSXが控える。「お願いだからスタートしても抜いていかないでね」と思うが、そんなことはあるはずがないのだ。

 そして午後1時30分過ぎにレースはスタート。山内は2周目にペナルティのストップ&ゴーのためピットインし、ペナルティエリアへ直行。すぐにレースに復帰するが、クラストップとの差は1分以上も離され、もはや勝利は絶望的に遠のいてしまった。ところが、だ。10周を過ぎたあたりから雨が降り始めてきたのだ。

 ご覧の通りの雨の中をスリックタイヤで走る山内。どんなに大変かは「コース上でサイドブレーキを使った」とレース後山内が語っていたことでも想像できる。そしてこの後雨は土砂降りとなり1コーナーで多重クラッシュが発生し、赤旗中断となる。この時点で1台抜いてポジションは5番手。けれども2ヒート制のレースは第2パートの結果が優先されるが、ライバルのアルゴシビックは1周多く周回している。でも1コーナーのクラッシュに巻き込まれてしまったみたいで、緊急修理中だ。さて、どうなることやら。

  第2パートのレースを前に雨もあがったことで我々はスリックタイヤをチョイスした。数周はセーフティカーが先導するだろうから路面がすぐに乾くことを予想しての判断だ。再スタート直後、山内はヘアピンでスピンしてしまったが、この作戦が見事に的中し、グングン追い上げを図ることができた。途中アルゴシビックのリタイヤ、そしてライバル他車のピットインもあったが、気がつくとクラストップに躍り出ていた。

 そしてこちらがピットイン予定の時点で後続に80秒ほどのリードを奪い、浅見がピットアウトした後もトップをキープしてレースに復帰した。

 2番手を走る5ZIGENパルサーとの差は6秒ほどだ。浅見は前戦のハイランドで「バトルがなく退屈だった」と言ったが、今回は必死だ。執拗に食い下がる5ZIGENパルサーと激しい攻防を展開するが、終盤にベストタイムをマーク。

 そしてついにチェッカーが振り下ろされ今季2連勝、昨年の最終戦から参戦レース3連勝を飾ることができた。頑張り抜いた浅見を迎える山内&スタッフ。P1のサインは何度出してもうれしいものだ。

  「なにが起きるか分からない」という耐久レースの怖さを体験したラッキーな勝利をマークし、これでシリーズポイントトップに浮上した。次回TIサーキットは「得意なコース」と山内が語るように3連勝も十分期待できるはずだ。


2000スーパー耐久第3戦 鈴鹿200マイル
2000年5月13〜14日 鈴鹿サーキット(5.86403q)
天候:晴れ/雨/晴れ 参加台数:40台 決勝出走台数:38台
参加クラス:クラス4
ゼッケン/車名:54/BPビスコベータアンクルシビック
ドライバー:山内伸弥/浅見 武
予選結果:クラス6位 総合38位 タイム:2分29秒572
※タイヤ交換により最後尾スタート
決勝結果:クラス優勝 総合12位 49周回
完走台数:25台
獲得ポイント=20点 シリーズ合計=40点 第1位


「トピックス」

 <キャンギャル登場>
  

 ここ鈴鹿サーキットにもキャンギャルに来てもらいました。3人のプロフィールは、

名前   小柳陽子チャン  橋本 純チャン 菊地 忍チャン
出身地  神奈川県     埼玉県     東京都
身長   159p       160p            165cm
BWH   83-58-84       82-56-83       84-58-82
特技   スノーボード    スキューバ    ジャズダンス
                ダイビング

といったところです。皆さん応援よろしくお願いします。